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本備前焼の鑑賞古備前の見方陶印海揚り鎌倉室町桃山茶陶工現代備前焼窯元作家窯印陶印数百点人間国宝金重陶陽大饗仁堂石井不老壷茶碗徳利甕

本備前焼の鑑賞古備前の見方陶印海揚り鎌倉室町桃山茶陶工現代備前焼窯元作家窯印陶印数百点人間国宝金重陶陽大饗仁堂石井不老壷茶碗徳利甕[浏览Yahoo!拍卖页面]

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備前焼の鑑賞 付 古備前の見方

日幡光顕 著
備前焼研究会 発行
昭和48年改訂版
112ページ
約18x13x1cm
カラー・モノクロ


※絶版


古備前から近代、現代の備前焼にいたるまでの解説、各年代の重要な窯印・陶印数百点を網羅して掲載。
海揚がり、桃山茶陶、江戸時代の主要な備前焼窯元に続く現代の窯元・作家までをカバーした、実践的で最高峰の内容となっています。

古備前の鑑定の項では、
「備前焼程陶印を多く使用し、陶印を尊重する焼物は珍しい。それは古備前のほとんどが共同窯で、陶印により各自の品物を選り分けていた事にある。」
「過去の歴史を知る上で、陶印は貴重であるが、現在では、作よりも陶印を重く見る習慣を残している。」
古備前の価格、現代作品とは異なる部分、古備前特有の窯印・陶印の位置や彫りの技法などの時代別の特徴についてのほか、鑑賞や購入にあたって必要不可欠な知識満載。

現代作家・窯元のプロフィールや陶歴作風解説と陶印も、簡潔に多数紹介。
50年程前の本なので、その頃から活躍してきた陶歴の長い作家の情報もわかります。
コンパクトで持ち歩いて調べるのにも好適な、内容充実・愛好家必携の資料本です。

【序文より】
 この本は備前焼の研究書でなく、以前陶友会で発行していたが、その後窯元、愛好者の要望により再発行、正しい姿そのままを紹介したものです。
 挿絵の古備前は古陶美術館の所蔵品と、太田巌氏の所蔵品です。
 内容は手前みその宣伝でもなく、宣伝上手で一時的な人気を得る為のものでは有りません。
 著作権もこう云う本には有りません。転載も自由です。備前焼の発展に利用して頂いたら幸せです。


【目次より】
一、備前焼の鑑賞
二、備前焼のつくり方
三、備前焼の伝統
  備前焼のはじめ
  熊山時代(熊山窯)
  浦伊部及び山麓時代
  大窯時代
  天保、明治窯時代
四、古備前の鑑定
  備前焼の陶工
  古備前鑑定
五、現代の備前焼
六、現代の備前焼窯元と作家
付 古備前年代早見表


【巻頭カラー・モノクロ写真図版一部紹介】
鎌倉種壷
室町壷
室町大雍
室町壷 中期
桃山初期壷
室町壷
桃山葉茶壷
桃山水屋甕 サンギリ
桃山お預け徳利
桃山蕪徳利 伏せ焼
桃山ラッキョウ徳利
桃山海揚鶴首
桃山手付水指 赤
桃山手付鉢 ゴマ
桃山獅子 置物
花入江戸中期 ゴマ
以降モノクロ
初期備前焼
鎌倉期 壷
室町壷 中期 末期
室町末水指
桃山初期徳利
桃山壷
桃山舟徳利
室町末かや壷
桃山海揚擂鉢
江戸初期薬研
江戸初期仙人徳利
江戸初期甕
江戸中期 布袋 置物
江戸期 徳利
江戸末期 徳利
江戸末期 油徳利
江戸末期 布袋徳利
江戸末期 角徳利
江戸末期キリン 貞幹

【内容説明 一部紹介】
■備前焼の鑑賞 より
 備前焼は伊部焼と言い岡山県備前市伊部が古来からの産地で、日本古来の弥生式土器、土師器の流れを汲む神代相伝説と、通説になっている須恵器より進展した説と、今一つ伊部独立説がある。それは伊部の須恵器(平安土器)が邑久郡の須恵器と製法が異なっている事にある。
 備前焼の誇りは、古備前と現在の焼物と、製法、製品共に同じで、古備前を鑑賞するにより、現在の備前焼を窮うことができる。
 即ち備前焼を鑑賞するもの、必ず古備前の味を知ること。現在でも古備前の味が、そのまま生かされ、その芸術が伝統され。古備前に近い作品が名作とされている。このことも備前の特長であり、
  「古備前を知らずに、備前焼の鑑賞は出来ない」
 奈良平安時代にかけて全国に2000以上の窯があったが、伊部の須恵族はその時代の豪快な大陸的な焼物、朝鮮新羅陶等の影響を受けて赤い須恵器を発見し、これらの技術と結合して素晴しい焼物を焼造した。焼法も還元焼成から酸化焼成に変り、他の焼物は釉薬を施す焼物になったが、備前焼は原始時代の焼物の技法をそのまま踏襲した古典の妙境を現代まで伝えているものであり、千古の歴史を有する世界唯一の古窯と言うことが出来る。
 延喜、永久に亘り移行し、鎌倉時代正安年間に至り、現在の焼物が熊山の渓流に生まれた。
 鎌倉末期から漸次麓へおり、室町時代の初め浦伊部時代を築いた。応永大窯を中心に伊部全域の山麓に、一番多くの窯が築かれたのが永正年間で、その当時は住民の大衆品擂鉢、甕等を多く焼いた。
 窯も浦伊部から、大窯に中心が移行し、山麓窯は次第に姿を消して、共同窯として、南北西、三大大窯が、室町末から天正年間の頃には大きくなり、陶工等も集まって、秀吉や武野紹 、千利休等に愛用され数多くの名品を世に出している。
 江戸時代も池田藩のご細工人に切米を給す等の保護や、朝廷、将軍等への献上で名声を博した。天保時代に藩の保護もうすれ、融通窯として天保窯、明治窯、黄薇窯等で受けついだが、明治になって、土管、煉瓦の製造に着日、一面では今日の耐火煉瓦の基礎を作ったと言い得よう。
 明治二十一年、森窯が初めて個人窯として生れ、今日七十の窯の嚆矢となり現在の発展につながっている。
る。

■桃山時代 大窯時代 より
 これ等の大窯は皆共同持ちで、窯元中に南窯組、西窯組、北窯組があって各十数軒、窯組は、森、木村、金重、大饗、頓宮寺見の姓を有しており「窯元六姓」という。
  「窯元六姓」はお互いに営業権を持っており、座の組織をつくって、子々孫々に伝え、他のものは営業出来なかった。
 屋印については、各自の製品を判別するため、自家の屋印を箆で刻して、名物にわけていた。後に押印を用いた。

■海揚り より
 備前直島の沖に昔から備前焼を積んだ船が沈んだという伝説が古くからあった。おそらく、備前藩より幕府や朝廷に献上するため、出港の途次沈没したのであろうが、昭和十五年岡山市在住の愛陶家陶守三思郎氏が偶然の機会で、直島の北岸より二、三十間の沖合で水深十五~二十尋の海底に昔から眠っていた古備前つまりこの大窯前期の作品を数点入手したことから古備前党の間にセンセイションを巻き起したものである。
 上陸備前の種類は、種壺其他水指、花生火入。片口、鶴首花生、お預け徳利、らっきよう徳利、芋徳利、蕪徳利、烏口蕪徳利、振出し用小徳利、水屋瓶、花生用四ッ耳壷、茶壷、擂鉢、火鉢、大平鉢、中平鉢、小平鉢等で、二百点余り揚げられている。
 その内鶴首徳利、大平鉢、片口、徳利等名品が文化財として保存されている。陶印は(別表)

■桃山茶陶としての備前
 応永から百六〇年後の弘治年間、既に京に茶壷を使用しておった記録があり、その後(廿八年後)天正十年三月豊臣秀吉中国征伐の途次、伊部に軍を留め、伊部の大饗五郎右衛門の邸に滞在して、数日伊部の陶工を召して茶器、花器、人物、鳥獣等を作らせ御覧のあと、備前焼の技巧妙なるを感賞の余り、自らも製作し、福島、加藤の諸将も作ったという。
 現に伊部に大閤屋敷というのがあり、小祠を祀る。秀吉公伊部焼の優秀なことを讃嘆、陶業保護の必要を感じ、左の制札を下した。

 当所伊部村之事陣取扣除侯、然上者、彼在所へ出入一切停止訖、若違犯族在之者速処厳科者也
天正十年三月         筑前守  花押

 秀吉が関白となってからも陶器を献じ、あの有名な天正十五年十月一日、北野の森で催された秀吉の大茶湯の会には、一番に武野紹 の備前水こぼしがならべられ、又柵の後には備前筒の花入が飾られ、その外、堺などの大茶会でも備前の花生は度々用いられた。このことは備前焼にとって画期的なことであって、天下の名器に比して何等そん色ない実力を発揮したものといえる。
 桃山時代、利休、織部の二大茶人により。備前焼の歴史のなかで桃山時代の黄金期を築きあげ、紹鴎の「青海」水指等、今日数々の名品を残している。

【四、古備前の鑑定 より】

■備前焼の陶工
備前焼の陶工は窯印により知ることができる。平安時代、鎌倉時代は一部を除き陶印が無い。室町時代の胴や、肩につけたのが始まりで、桃山時代より陶工が、自分の作品に意識的に捺印する様になった。備前焼程陶印を多く使用し、陶印を尊重する焼物は珍らしい。それは古備前のほとんどが共同窯で、陶印により各自の品物を選り別けていた事にある。

過去の歴史を知る上で、陶印は貴重であるが、現在では、作よりも陶印を重く見る習慣を残している。
文安元年三月廿三日 四耳壺 釣井衛門太郎(花押)
永正八六月日 広口花瓶(寺)木村三郎右衛門
永正十四無神月日 水瓶 円次
天文廿年六月十八日・広口花瓶(寺)木村三郎衛門尉
天文廿三年七月吉日 壺 木村三郎左衛門
永祿十二年卯月廿一日 広口花瓶(寺)木村与次郎
室町時代~桃山時代 茶陶陶印 約120点

永祿の頃
木村三郎兵衛 木村庄三郎 木村吉右衛門 森惣兵衛
元亀四年 水瓶
(以下「」内陶印)
天正二年二月日 単口水指 陶印
天正六年三月吉日 釣鐘水指 悦意
天正十一年七月一日 水瓶 陶印 太郎左衛門
天正十二年六月十五日 壺 保二郎
天正十八年四月廿四日 四耳壺 弥八郎
天正廿年五月十六日広口花瓶(寺)木村孫兵衛
桃山時代茶陶陶印 約100点

天正年中の名工
森清次郎 木村長左衛門 已森清右衛門
同じ頃に六兵衛という者
があり、欠月を刻し、三日月六兵衛と称していた。茶器をよくするものがあって、桜花の印を使用したが、花は三日月に及ばなかったと。二者とも肥厚で、しかも堅実なことで優れていたといわれる。
天正、文禄、慶長の頃に、
宗伯 新平 茂右衛門 正玄
共に茶器の名人であった。
古備前鑑定の俗謡に、
井は古し松葉正玄丁新平○は宗伯十は茂右衛門とあった。
井印は最も古いが氏名不詳、その他大瓶などに古い印として、(以下窯印)13点 等の刻印があった。

海揚り古備前
窯印・陶印 約50点
慶長二年四月九日 糸目水指 道悦
慶長八年 竹節水指「壽」
慶長十二年五月吉日 水瓶 大五郎兵衛(花押)
慶長十四年十月十日 薬研 助十郎(花押)
座長十五年九月廿八日 壺 小右衛門(花押)
慶長十六月八月吉日 水瓶 
元和二正月大吉日広口花瓶(寺)木村道意
元和二三月廿一日広口花瓶(寺)紺屋三郎左衛門尉
元和三仲秋吉日 広口花瓶(寺)大饗五良兵衛尉
元和三年十月十五日 広口花瓶 木村弥吉郎
元和三年 大馬盥 清左衛門
元和三年 水瓶 
元和五年五 水瓶 
元和五年卯月吉日 釣灯籠 木村ニ良介
元和七年正月吉日 重箱 与十郎
元和七三月六日 広口花瓶 五郎左衛門
元和九年六月三日 糸目水指 土屋

元和年間
木村勘六 木村善四郎 森窯
元和年間の作者 池田綱政公(昔源寺毆)御手許御留御書の中に左の名あり

西窯九人 窯印・陶印
庄兵衛 彦三郎 新五郎 惣四郎 弥一郎 五郎太夫 長兵衛 助三郎 七兵衛
北窯十人
弥兵治 五兵衛 二郎左衛門 惣兵衛 忠三郎 二郎左衛門 庄太夫 才之助 弥五郎 治兵衛
南窯十人
与三右衛門 善兵衛 清三郎 平三郎 七郎兵衛 二郎兵衛 太郎右衛門 長石衛門 七郎
寛永元年 水瓶
寛永六年 壺
寛永十六年九吉日 薬研
寛永十八年十月吉日 徳利
寛永の頃
寺見次郎兵衛
木村九郎兵衛
森念心
金重宗四郎
寺見次郎兵衛(同一か

慶安延宝天和年中
木村長三郎
木村太左衛門
森清三郎
木村元心
木村平四郎
木村長右衛門
その他刻印 約200点

貞享の名工
森弥左衛門
木村道休
木村秀四郎

正徳寛保の頃
五郎兵衛
雲貞
木村良心

以下天保時代の北窯十七人、南窯十五人、西窯十人、
嘉永年間の各窯元 南竈組17人、北竈組16人、西竈組13人…と続く。


■昭和初期の窯元陶工 より 窯印・陶印および作風略歴解説
西村春湖 西村安次郎 大饗仁堂 大饗時松 金重陶陽 金重勇 金重勉 藤原楽山 ロクロの名手、青備前で著名 木村黄薇堂 木村一 木村友敬 木村貫一 木村陶正園 木村正二 木村庄三郎
森豊二 森万吉 森虎次 森琳三 森陶缶 森数太 森良明 森健二 木村桃蹊堂 木村兵次 木村宗太郎 木村宗得 柴岡陶泉堂 柴岡米田 片岡直之 片岡津名司 難波好陽 難波十次郎 久本花山 三村陶景 三村藻三郎 藤田龍峰 藤田滝蔵 小西陶古 小西陶一郎 伊勢崎陽山 伊勢崎義男 松田竹志 松田華山 石井不老 木村不老堂木村利一 田中陶山 原田六兵衛 山本陶秀 山本政雄 吉形香秀 吉形一義 藤原六治 鈴木黄哉 ほか

■古備前鑑定 より
窯印 伊部の例18点、古備前の価格、作風特徴を写真と挿絵をまじえて詳細に解説

■ 現代の備前焼窯元と作家 より
窯印・陶印および作風略歴解説

窯元
金重利陶苑 木村興楽園 木村陶正園 木村一陽 木村桃蹊園 小西陶古 柴岡陶泉堂  
作家 
森宝山 森竹山   藤原啓 山本陶秀 藤原楽山 藤田龍峰 浦上善次 大饗仁堂 金井春山 藤原建 木村宗得 岡本錦朋 藤原陶斎 伊勢崎満 伊勢崎淳 金重道明 各見政峯 榊原清人 中村六郎 西川政美 藤原雄 堀江祥山 松田華山 森陶岳 森陶山 山本雄一 金重素山 花房秀安 木村宏造 木村隆明 木村憲次 松井与之 木南知加選 日幡光顕人 藤原謙 高原昌治 森甚治 乗松俊行 難波好陽 柴岡正志 榊原貢 榊原学 森泰司 鈴木黄弌 柴岡紘一 小西陶蔵 高原邦彦 大饗輝彦 森風来 武用真二 大平誠之助 鈴木旦二 松井陶仙 井上武 原田拾六 鷹取閑山 難波章 山本出 前嶋五一郎 藤田佳峰 小山末広 各見飛出記 ほか 

■古備前年代早見表
皇紀、西暦、年号、逆算、天皇、時代、窯を一覧とし、年代特定にも役立つ年表。


★状態★
昭和48年のとても古い本です。
外観は全体的にスレ、ヤケ、開きじわなど経年感がそれなりにあります。
背の端部に小いたみ、天小口に経年並ヤケしみあり。

本文余白部に経年並ヤケしみあります(特に表裏見開きにしみ、ホチキス部さびなど)が、
目立った書込み・線引無し、問題なくお読みいただけると思います。(見落としはご容赦ください)


<絶版・入手困難本>オークションにも滅多に出ない、貴重な一冊です。
古本・中古品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。


★お取引について★
■商品が到着しましたら、必ず「受取連絡」のお手続きをお願い申し上げます。
■中古品です。それなりの使用感がございます。
モニタのバックライトの作用により、写真画像は実際よりきれいに見えがちです。
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