日本の祭(作家より) スケッチブック片手に、見知らぬ村を 旅した時、小さな鎮領様のお祭にでくわ した。老若入り乱れて神輿を担ぐ村人達 の、素朴で生き生きした動きに、都会育 ちの私も心が騒ぎ夢中でスケッチした。 それからの私は、日本中の有名無名の祭 に出かけては、その感動をシルクスクリ ーンの中に、鮮明な色と明快な形で描き 続けている。そして、私の作品から祭囃 子の笛や太鼓が聞こえ出し、それぞれの 故郷の祭を懐しく思い出して頂ければ幸 いである。 作家名 田中 正秋（たなか まさあき）TANAKA Masaaki ジャンル シルクスクリーン（孔版）  伝統  和  風景   コメント 　「版画を手掛けて、もう30年になろうとしている。その間、1,200点を越える作品を作ってしまった。全部積み上げると数10メートルの高さになるだろう。今、あれも描きたい、これも版画にしたいと、ただ残された時間が少しずつ気にもなる。 　祭りを題材とした作品が主になっているが、日本中、本当に５万とある祭りのほんの一部しか作っていない。今後どんな祭りをどのように表現していくか、自分ながら楽しみでもある。」 （作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑1999』阿部出版より） 略歴 1947年 東京に生まれる 1971年 武蔵野美術大学油絵科卒業 1972年 版画グランプリ展 1981年 現代アジア美術展・招待出品 1982年 『週刊新潮』表紙絵に新作連載開始、一陽会会員 1983年 ポーランド各地美術館巡回展 1991年 表紙担当10周年記念全国巡回展 1994年 御遷宮の作品「浄闇」奉納 1997年 アメリカ各地で巡回展 作品 サイズ約85＊120＊3cm