●江戸明治和本●福寿経綸録［〈教訓〉福寿経綸録］(安永9年) 【判型】大本2巻2冊。縦268粍。 【作者】容有子(慧鎧エガイ・聚墨隠者)作(述)。西條正當(蒹葭堂)書(記)。 慧鎧述。西條正當記。 【年代等】安永9年10月作。安永9年10月、丸山昌雄(頣斎)・西條正當(蒹葭堂)序。安永9年11月、塚田経(道・子常)跋。安永10年2月初刊。［京都］中川儀兵衛ほか板。 【備考】分類「教訓」。『福寿経綸録』は、上巻に「経綸天極第一」と「経綸地極第二」、下巻に「経綸人極第三」と「経綸皇極第四」の4項に分けて天下国家の法則を詳述した天下統治論。冒頭で「凡天地ノ道ヲハコベルモノハ仁心ナリ。サリナガラ人生(ムマレ)シヨリシテ霊ナルモノニモアラズ。其道ノ徳行アラハレテ世ヲ済(ワタル)ノ経綸ニ無理非道ナクンバ、マコトニ万物ノ霊ニテゾアルベシ。去程ニ経綸ノ事(ジ)甚以難哉(ハナハダモチテカタキカナ)。コレニヨリテ、今コヽニ大科四段ニ分(ワカチ)テ、マサニ其要ヲ指示スベシ」と述べ、前期4項の要点を詳しく解説する。上下巻とも巻末に、作者の慧鎧が後述した場所と、その時にそれを聞き書きした門人一同の名を逐一列挙してあるほか、下巻末尾には、本書編纂後に、西條正當が木嶋豊英とともに聚墨隠者(慧鎧)を訪ねて本書稿本の「監定」を請うた際に頂いた助言と、「追加」として、かつて西條正當が隠者から授かった言葉を補足する。 ★原装・題簽下巻のみ存・状態並み(小虫補修)。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。