【車輪の下】　ヘルマン・ヘッセ著　高橋健二 訳

全体に経年劣化してます。特にブックカバーが汚れています。

読む文には差し支えありません。

◎本文の内容

子供の心を押しつぶす教育という名の車輪から逃れようと、人生の苦難の渦に巻きこまれていく少年ハンスに、著者自身の体験をこめた自伝的小説。

ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通った。だが、そこでの生活は少年の心を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆りたてられた彼は、学校を去って見習い工として出なおそうとする……。子どもの心と生活とを自らの文学のふるさととするヘッセの代表的自伝小説。

◎目次
ヘルマンヘッセ に…トーマス・マン
車輪の下
ヘルマン・ヘッセの人と作品…高橋健二
読書のしかた… 黒沢　浩
年譜

◎トーマスマンの推薦の言葉
　今日、精神的な人間にとって、血迷った混乱した表現に対して、取り乱さない態度をとり、立派に対処することは、極めて難しいのですが、あなたはそれを 模範的に実行しています。 あなたは、ひどい 混乱の中で、私にとって、良い仲間、慰め、たすけ、お手本、力づけだったのですから、あなたがいなくなったら、私は恐ろしく寂しく感じるでしょう。……さようなら、涙の谷を愛 携えて通ってきた古い 道連れよ。私たち2人には、この涙の谷の中でも、夢と戯れと形の、 すなわち 芸術の慰めが与えられたのでした。