Richard 17-Jewel Half-Rotor/Bumper Automatic Watch(リチャード　半回転式/バンパー自動巻時計) Cal. AS 1250 1940年代製造

A. Schild (AS) 社の半回転式ムーヴメント、Cal. 1250 を搭載したRichard ブランドの時計です。インターネットで、〈Richard〉 ＋〈Watch〉 あたりで検索すると、ヒットするのは Richard Mille（リシャール・ミル）ばかりなのですが、今回のRichard は、この高級ブランドとは全く関係がありません。

実際、かなりの数が現存しているにも関わらずこのブランドの素性は謎で、古時計愛好家たちにも情報の少なさを嘆く声があるようです（https://mb.nawcc.org/threads/richard-watch-company-switzerland.130001/）。画像10は、今回出品のものとよく似た時計を載せた1944年8月の広告ですが、これを見ると、価格はまだ、frs（おそらくはスイスフラン）表記のままで、イギリスに販路を拡げようとしているスイスの時計会社であることがわかります。

【機械】
 2009年9月に入手後、オーヴァーホールはしていません。搭載の18,000振動,AS Cal. 1250バンパー自動巻は、錆もなく綺麗で、現在も±1分程度で稼働していますが、ご落札の折には是非オーヴァーホールをなさってくださいますようお願いします。
 手巻も時刻合わせも正常にできますが、竜頭の引き出しが少し渋い感じがします。裏蓋の干渉で竜頭の下部分がつまみにくいからだと思いますが、文字盤側から爪を竜頭とケースの隙間に挟む感じでやるとうまくいきます。（後述するように、これは竜頭径が小さいせいではありません。）
 バンパー自動巻は、巻上げ効率が悪いので、手巻との併用をお願いします。

【外観】
 ステンレス・スティール製ケースは、竜頭を含まず直径34ミリ、ラグ幅18ミリ。ケースの造りは極めて良質です。防塵、防磁用のインナーキャップを具え（画像8）、ケース外周竜頭の位置に、クラウンガードとしての凹みが刻まれています。（竜頭は、クラウンガードの幅とぴったり合っています。上で「竜頭径が小さいわけではない」と書いたのはそのためです。）
 ケース表面は概ね綺麗なのですが、ベゼルには多数の小傷があります。裏蓋には3本ほど、オープナー傷と思しき線傷があります。そうひどいものではなく、研磨すれば取れるレベルかと思います。
 文字盤は、シャンパンゴールドのツートーン。Richard ロゴの下にあるAutomaticの赤文字が消えかかっています。赤は退色しやすいのでそうなるのでしょうが、当然文字盤全体にも劣化はあります。ただ、画像6に見える円状のシミ以外には、文字盤の劣化は、ルーペを使うなりしないと気づかない程度です。画像では映り込みの影響でやや汚らしく見えますが、年齢を考えれば、全体的には綺麗な文字盤だと思います。
 夜光は劣化していますが、長短針ともに傷みはあるとはいえ、まずは綺麗な状態です。赤い秒針も良好な状態を保っています。

【付属品】
 Hirschの赤茶色バンドを装着しています。未使用ですが、長期保管品です。

 発送はクリックポスト を予定しています。送料は当方で負担します。

 ご質問があれば、ご遠慮なく。