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約20x100x12mm
重さ約150-200g これ一個おとどけ。 未着の場合はもう一個お送りします。
ボルト穴があると短くなったりします。文鎮にしても素敵なんです。
面取して切断面を荒い砥石で磨いて好みの平らにしてください。
真っ黒の鉄の華がザクザク出るような砥石でお楽しみください。
めっぽう硬くぎすい砥石でも黒く粘りのある汁ができますのでもむように研ぐことができて、一つ上位の研ぎが実感できるかもしれません。
かれこれ10年近く前に少しだけ、ご提案させていただいた錬鉄の名倉。
かつてチェンの輪切りでしたが、今回は何と橋梁鉄!!!
プレートのボルト穴が確認できます。
最もカーボンレート少な目で、ピュアな鉄です。
鍛冶に使えないくらい柔らかで高純度。
故にふわふわな鉄なので、砥石の等級仕分けに非常に有用です。
これが底光り・薄ぐもりなど様々な色が砥石との組み合わせで付いてきます。
少しでも粒度違いのものがある場合、容易に発見できます。
これで、等級見立て行うのであれば右京区梅ケ畑産出外の選択肢が狭まってくることでしょう。
中砥石では、条痕形状の確認ができます。
浅くUの時断面の傷は天然中砥石による利点なのですが、これを確認するのに便利かと思います。
研削能特化型 荒 → 天然中砥石 条痕形状整形特化型 → 仕上げ
といういつもの工程をこれで試していただくと、どの組み合わせでどの程度の条痕をどのくらいの手間暇で処することができるのか検証することができます。
研ぎを咀嚼理解するためにこれは最も大事な作業かと思いますので是非お役立ください。
--Chemic--
還元剤は木炭を使うため、現代高炉製鉄におけるコークス由来の、脆くさせ内部から朽ちさせるというリンや硫黄などの致命的元素の含有量が非常に低いです。
この耐食性を生かし、かつてのボイラー配管として好ましく、これが釜地たる名のいわれです。
かつ、操業温度が高炉ほど至らず、半溶解状のため巣板様の巣穴、泡立ち浅黄だとか、山城国砥石様の葉理やに見立てることのできる層状の模様も確認できます。
正に鉄の上級銘砥版です。
今回では、切断面を手塩にかけて磨き上げ慈しみください。上級銘砥との組み合わせによりその表情に無限の拡がりを見せることでしょう。
そして、ぞんざいに放置し、どのような酸化過程を見せるのかも、経過観察ください。
手汗や男脂などはご馳走なんです。貴なる金属と接触させて放置も面白いです。
純なる鉄と葉理の造形に息をのむことかと思います。
ダイヤモンドや炭化ケイ素などの研削能特化型砥石にて、Vの時断面形状の傷をつけ、このばあいの酸化速度も一度は観察ください。
錬鉄は明治中期前のUK製の釜地・橋梁鉄・チェン鉄の広義をさししめし、
カーボンレート順では 釜≧橋>チェン という具合かと思います。
チェンの中のキラキラ明るい部分が比較的ハイカーボンな場所ということになります。
--歴史--
近代の黎明期であった日本は、日清戦争における賠償金を官営八幡製鉄所ヘ充て、鉄の量産を試みるも軌道に乗るには第一次大戦後まで要した。
この間、軍事、建築、鉄道やインフラ整備、諸々いわゆる殖産興業・富国強兵を達するに、必要不可欠である鉄を賄うことができる種というものは、既存のたたら製鉄によるものではなく欧米の持つ木炭還元パドル法による錬鉄もしくは後発の現代高炉製鉄によるものであった。
わが国独自の製鉄法では、民具や銃刀剣類を製造にのみ能う量のインゴットしか生産できなかったからである。
鉄は産業の米
鉄は国家なり
というよう、近代化の原動力に他ならない。
明治の世において、出来るだけ早急なるたたら製鉄から近代製鉄へと切り替えの成功なくしてどうして近代化を成し遂げようかといえようか。
とりわけ日露戦争においては、英国なくして語ることは出来まい。