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★内容: あのリンカーン弁護士こと、ミッキー・ハラーが帰ってきた。そしてボッシュ刑事と組むことに―。コナリー作品屈指の二人の人気者が豪華共演する傑作サスペンス、満を持して登場。「丸一年、わたしには一人の依頼人もいなかった。だが妻とその愛人の射殺容疑で逮捕されたハリウッドの大物プロデューサーは弁護を引き受けてほしいという。証拠は十分、アリバイは不十分。しかも刑事がわたしをつけまわす」 ―ハラーにつきまとうボッシュ。その目的はなにか。有罪必至の容疑者、プロデューサーはいまだに余裕の笑みを浮かべ続ける。遺されたファイル。陪審員、検察、容疑者。誰かが嘘をついているのだ。さらに、殺されたライバル弁護士が遺した事件ファイルに鉄壁の容疑を突き崩す術を見つけたわたしまでもが命を狙われるはめになる―。タッグを組むハラーとボッシュがたどりついた結末とは。二人の意外な関係も明かされ、驚愕のどんでん返しにコナリーの技が光る。法廷サスペンスの大傑作。
★マイクル・コナリーといえば『ハリー・ボッシュ・シリーズ』だが、本作は言わばその外伝であり、ボッシュはちょい役で登場するのみ。テリー・マッケイレブとボッシュの軌跡は、この後のシリーズで再び交錯することになる。『ハリー・ボッシュ・シリーズ』はマイクル・コナリーによる、LAPD(ロサンゼルス市警察)刑事ハリー・ボッシュを主人公とするミステリー、ハードボイルド小説シリーズ。。ただし、このシリーズにおいては、主人公ハリー・ボッシュ以外の登場人物 ― 読者なら既にご存知であろうが、捜査官レイチェル・ウォリング、元捜査官テリー・マッケイレブ、記者ジャック・マカヴォイ、アウトサイダーのキャシー・ブラック、弁護士ミッキー・ハラーなど ― がいわゆる「スピン・オフ」し、ハリー・ボッシュ・シリーズ以外の独自作品群の主人公となって、コナリーの世界を拡大・深化させていくのである。これらの関連シリーズを合わせると、2023年夏時点で38作(内、邦訳37作)となっている。コナリー・ファンをやめられない理由がここにもある。
★本家シリーズの主人公ハリー・ボッシュは、本名がヒエロニムス・ボッシュ(Hieronymus Bosch、ルネサンス期フランドルの著名な画家と同姓同名)。暗く複雑な生い立ちと、ベトナム戦争で極限状態を生き抜いた経験が性格に陰を落とす。組織に馴染まず上司や同僚と衝突することもしばしばだが、一人事件の真相へ向けて突っ走る男の中の男。シリーズ初期では、犯罪事件のストーリーと並行して主人公のトラウマや人間性も次第に浮彫りになっていく。マンネリと無縁の物語が次々に展開し、読者はボッシュとともに現代を疾走する気分や錯覚に酔う。。だが、逆境と戦うボッシュにもLA市街を見下ろす小粋な自宅に帰宅し、好きなCDを聞きながらデッキでビールを飲み、遠くで暮らす“家族”を想うひと時が訪れる。読者もその場所と時間に居合わせて、ほろ苦くも甘美な癒しを味わうのである。
★著者、マイクル・コナリー(Michael Connelly)は、1956年生まれ、フィラデルフィア出身。1980年、フロリダ大学でジャ-ナリズムを専攻したが、そのきっかけは在学中にレイモンド・チャンドラーの小説に出会い作家となる決意をしたためという。卒業後、フロリダで新聞記者となり、当時「コカイン戦争」の只中にあった南フロリダ地区の犯罪や警察について記事を書き続け、1986年には手がけた記事がピューリツァー賞候補に推されることに。これによりジャーナリストとしての地位を高め、ロサンゼルス・タイムス社の犯罪担当記者となり、チャンドラーが描いた街LAに赴くこととなった。LAで3年間の記者経験の後、ロサンゼルス市警察(LAPD)の刑事ヒエロニムス(ハリー)・ボッシュを主人公とした小説を書き始める。 1992年、シリーズ第1作となる“The Black Echo”(邦題『ナイトホークス』)を発表。実際に起きた事件を題材として描いた本作は、初版僅か15,000部、また全米広告の露出がなかったにも拘らず各書評で非常に高い評価を得、アメリカ探偵作家クラブ(Mystery Writers of America、MWA)のエドガー賞(The Edgar Award)処女長編賞を獲得した。その後同シリーズは怒涛のヒットを続け、現在までに35ケ国で翻訳されている。2003-04年にはMWAの会長も務めた。
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