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魏晋南北朝の詩賦の中から、人生において遭遇するさまざまな悲哀、とりわけ死にまつわる哀傷を詠じた詩文を選び、論じた
本書を「中国中世の哀傷学文」と題した。…中国中世とは言いながら漢代の詩賦や遼代の詩詞を扱った拙論も含まれている。しかし、中心をなしているのはあくまでも魏晋南北朝の詩賦である。また、哀傷文学という語も、決して熟した語とは言えないかもしれない。ただし本論中でも述べたが、古くは『詩経』秦風・黄鳥には三良の死を傷む感情がこめられているし、詞華集や類書を見てみると…人生において遭遇するさまざまの悲哀、とりわけ死にまつわる哀傷を詠じた詩文を収録している。…これらのことからしても、中国古典文学において、哀傷を詠ずる詩文は決して無視することのできない重要な構成要素となっていることが理解される。本書に収録した拙論はなんらかのかたちで死にまつわる哀傷を主要なテーマとした詩文を扱ったものである。
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六朝期の「臨終詩」
「臨終詩」の成立とその展開 ― 六朝期から南宋末期まで
崔篆の生涯とその「慰志賦」
魏の甄后の死と「塘上行」
遼の蕭后の生涯とその文学
Ⅱ 夭逝者哀悼の文学
哀辞考
蔡「童幼胡根の碑銘」と哀辞 ― 禁碑のもたらしたもの
幼児の死を悼む詩 ― 漢魏六朝期を中心として
幼児の詩を哀悼する賦 ― 魏晋南北朝期を中心として
夭逝者の墓誌銘 ― 唐代を中心として
Ⅲ 悼亡と送葬の文学
「悼亡賦」論 ― 漢代から梁代まで
「送葬詩」論(一) ― 王褒の詩を中心として
「送葬詩」論(二) ― 南北朝末期から唐・太宗李世民へ
「送葬詩」論(三) ― 王維・皇甫冉・顧況の詩について
「摯虞詩」論 ― 西晋四言詩の一断面
あとがき