露MELODIYA D12803-4 ボリショイ劇場QTの演奏で、モーツァルト：弦楽四重奏第15番(K.421)(レーベルにはK.590と誤表記)。10インチ・リガ・オリジナル。

ボリショイ劇場QTは、ボリショイ劇場管弦楽団の奏者たちによるロシアの古い弦楽四重奏団で、メンバーはイサーク・ジューク、ベルトマン、グルヴィッチ、ブラフスキー。この団体の演奏は曲によって随分印象が異なり、ドビュッシーなどでは幽かにして妖艶な印象だったかと思えば、ベートーヴェンではがらりと禁欲的な姿を見せている。そしてこのモーツァルトは前者の系統に属し、そのなかでも飛び切りの名演で驚きました。第一楽章の冒頭から異様に艶かしく折り重なる音と音。怖ろしいことに全ての音が肌を官能的に撫でてくる。部屋に充満する危うい気配にくらりとします。流石はオペラのプロ、四人は地に足を付けたカッチリとした合奏ではなく、それぞれが幽かに輪郭をぼやかすような微振動する響きを出してはドラマティックにあわせていく。第一vnのイサークが危うい足取りで駆け抜けるときの凄艶な姿、そして他の三人もまた優雅に振舞う姿から四人の貴族のシルエットが浮かび上がる。凄い演奏です。ボリショイ劇場QTのなかでも最上の部類ではないでしょうか。是非お聴き下さい。

盤質：盤面溝ともとても良い状態。美品～ほとんど美品。

ジャケ：共通ジャケ。

【盤質評価】全面視聴してから出品しています。区分は以下のものを採用しておりますが、必要に応じて詳しく説明するようにしています。

美品(Ｍ)：新品並みの状態。

ほとんど美品(ＮＭ)：極浅い擦れや軽微な傷。

きわめて良好(ＥＸ)：年相応の擦れや浅傷。ひどいものはなし。

良好(ＶＧ)：擦れや傷などが目立つ。＊音溝が活きてなければ出しません。

■丁寧に梱包して送ります。またトラブルなどには誠実に対処いたしますのでよろしくお願いいたします。