グノー 歌劇 マルガレーテ / ファウスト ハイライト（ドイツ語歌唱）極美品 ゲッダ F =ディースカウ モーザー モル 1973. パターネ バレエ音楽 シュヒター

グノーの“マルガレーテ” …つまり“ファウスト”のオリジナルハイライト盤 何かと興味が尽きない録音です。 1973年の独エレクトローラ録音 当然ドイツ語歌唱。“あんな物はファウストとは呼べない”との見解から 一時期までドイツではこの曲を“マルガレーテ”と言っていたのだそうで…このCDは その当時の名残を示す“示準化石”とも考えられるひと品です。ドイツ製作のオペラハイライト盤の特徴については 出品の度ごとに何度も記してきましたが、この盤でもその特色は顕著 濃厚で、ちょっと舌舐めずりしたくなる様な面白さ満載です。オペラは 芸術であると同時に 興行 芸能でもある訳で、そこらの塩梅も鮮明に伝わり ハイライト盤製作の勘所が良く理解されます。
CD1枚70分程の全体量ですが、トピック満載ですので 以下に少し整理して…
・主役3人の看板の大きさから考えて F =ディースカウがメフィストに違いない と考えたのですが、他にモルの名がクレジットされて…オヤ 何かおやじ役があったかなぁ…よく見るとモルがメフィスト。
・つまり F =ディースカウ氏は“門出を前に”を歌う為だけに出て来た訳で、いつもながらの意欲に感心。加えてそのアリアが全く“バリトノカンタンテ”に徹した見事さで、素養の高さ技量の凄さを改めて痛感。
・マルガレーテは この時期ならばルチア ポップ辺りが適任かと思えるのですが、選ばれたのはエッダ モーザー。見事なまでの“ドイツ声”“ドイツ歌唱”。プロデューサーにとってはこれこそが理想のマルガレーテなのだろうと納得。
・ゲッダは アリアの高音も見事に決まって適役。甘味少なめ セリア臭の強いファウストでこれも魅力的。パテ盤では原語でタイトルロールだった訳で、万能歌手の本領発揮。
・モルが 表情を付けたり音色を変えたり いつになく多彩。器用な一面を披露しますが 魔界感は薄く、やっぱりガッチリムッチリした“お父っつぁん”の印象。
・選曲が周到。アリア 重唱 合唱 有名曲をほぼ網羅し なおかつ脈絡を整え見事な抜粋ぶり。製作者の見識の高さに感心。
・歌い慣れていて ドイツ語での違和感なし。言葉の自然なリズムが出来上がっていて 字余り字足らずがあっても特段の影響はなし。
・“兵士の合唱”は軍隊の行進の様で…はっきり言えば軍歌風で 国民性丸出し。異色だが微笑ましい。
・残響多めの録音で 全体に響きが独特。この頃エレクトローラは4チャンネル録音に邁進していて、これもLP時はそうだったはず。ブックレット裏表紙がLPジャケットのコピーで 片隅には“Q”の文字。2チャンネルに切り直してもこんなに残影が残るものだろうか。
・パターネの指揮が程のよい軽さ。その分 最後の三重唱は盛り上がらないが 結構な暢達ぶり。立派な才能。
・これ程の成果が全曲として残らなかった事が 返す返すも残念。　……などなど。
この録音へのエレクトローラの意気込みは大したもので、DG EMI オイロディスクなど 他のハイライト盤に比べても 抜群の完成度だと考えます。F =ディースカウの珍品ヴァレンティンをはじめ 全盛期の名歌手による聴き物揃いで 眼福ならぬ耳福…オペラ好きには堪えられない面白さです。欧米各国とも 現在は原語上演が主流で スターたちはほぼ原語歌唱に徹しているらしく…とすると これはドイツ語上演の全盛期 爛熟期を捉えた貴重な記録 と見ることも可能で、よいものが残ったものだと感心します。
ボーナスとして 余白に1955年モノ録音のバレエ音楽が併録されています。伝説の指揮者シュヒターの指揮。ここでも“マルガレーテのバレエ音楽”との大書あり、あくまでも“マルガレーテ”で通す所存なのは明白。

極美品です。本体 ケース ブックレットとも開封時のままだと思います。

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クリックポスト 185円 （ 本 形状により複数冊 CD 1枚物ケース4個 2枚物ケース2個程度 同梱可能）

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