2015年に発売になった、スーベレーン M805 デモンストレーターです。

ご存知かとは思いますが、モデル・ナンバーの末尾が「5」で終わるのは、クローム仕上げ（シルバーやロジウム、あるいはプラチナ仕上げと呼ぶことも有るようです）のメタル・パーツを持つペリカンのモデルですが、2002年に発売されたM805が最初で、その歴史はそう古いものではありません。一方、ペリカンはデモンストレーターを1950年代から作っており、数あるペン・メーカーの中でもデモンストレーターに関しては、歴史、数、人気に於いて他の追随を許さないと言って良いのではないでしょうか。
そのデモンストレーターと「05」モデルの結実が、出品致しますモデルです。

ペリカンは2008年にM800のデモンストレーターを発売していますが、同じサイズ、形をしたデモンストレーターでもプレート（メッキ）部分以外に異なった仕様が一つ有ります。それが、ピストン・ユニット基部におけるカットの有無です。
M800はピストン基部の一部をカットして内部を見せていました。初めて見たときは「ここまでやるか？！」と思ったものです。M805には有りません。これは好みでしょうが「スッキリして良い」と思う方もいらっしゃるでしょう。が、手間が省けているという事も事実です。ですが、M800ではブラスそのままだったピストン基部は、M805ではクロームのメッキ処理がしてあります。
いずれにしましても、デモンストレーターという仕様は、本来見えない部分（ピストン系統や胴軸内部）にも手を掛けなければいけないモデルですので、”作る側”からすれば余りコスト・パフォーマンスに優れているとは言い難いモデルではあるのです。

ところでM800とM805のデモンストレーターには、内部の説明となる刻印が有るモデルと、刻印のないプレーンなモデルの2種類が有ります。
M800の時にどうだったか記憶が定かでは有りませんが、M805に関して言えば、実は本家ドイツにおいては刻印有りのモデルは販売されませんでした。
この事について当時ドイツ人とメールの遣り取りの中で尋ねた事があるのですが、彼曰く「パーツの刻印が入ったモデルなんてドイツじゃ売れないからじゃないかな。例えば日本の毛筆に『→ 軸』とか『→ 筆先』なんて書いてあったら嫌じゃないの？」と返事が来て、妙に納得したのを覚えています。

ニブ：18KのEF
インク：ピストン・フィラー
全長：140.4mm
胴軸： 13.0mm

新品未使用
全てのオリジナル・ボックスとブックレットが付属した完品
特別生産品
発売時小売価格：66,000円

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