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御存知!Van Morrison参加 全盛期The Band 傑作4th「Cahoots」本国リマスター紙ジャケット仕様限定盤 国内盤未開封新品でございます。
2001年度本国リマスターとなります。
音の輪郭が角張る、低音の強調等々幾分現代的な音像の感がございますが、非常に良心的な音質となっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは全盛期名手揃い。
Robbie Robertson(G、Vo)、故Levon Helm(Ds、G、Vo、Mandolin)、故Rick Danko(B、Vo)、Garth Hudson(Key、Accordion、Sax)、故Richard Manuel(P、Vo、Ds)となります。
ゲストにかのAllan Toussaint(ブラス・アレンジ)、何と!Van Morrison(Vo)がそれぞれ一曲参加となります。
プロデュースはバンド自身。
1971年初期米国ニューヨーク州ベアーズヴィル”Bearsville Sound Studio”での制作となります。
そもそも非常に長いキャリアを誇るバンド。
1957年後期にLevon Helmが基礎R&R系ミュージシャンRoger Hawkinsのバックバンド”The Hawks”に参加した事から始まります。
紆余曲折を経て1961年末までにRobbie Robertson/Rick Danko/Richard Manuel/Garth Hudsonが揃い活動するも、1963年後半に独立。
バンド名を変えシングル楽曲を制作リリースするも鳴かず飛ばず。
また、かのルーツ系ブルーズ・ミュージシャン”Sonny Boy Williamson”(Eric Clapton期The Yardbirdsとの共演で御馴染み)との邂逅を経るも活動叶わず、Sonny Boy Williamsonは死去の憂き目に遭う事となります。
されどアルバム”Highway 61 Revisited”で”Electric系フォーク”という新分野を指向したかの”Bob Dylan”と1965年に邂逅。
ツアーのバックバンドを務め、”Bob Dylan & The Band”の名称を得る事となります。
賛否両論を呼んだツアー後に作品制作に入るものの思う様な成果は得られず、Levon Helmが一時脱退。
Robbie Robertson/Rick Danko参加でBob Dylan新作”Blonde on Blonde”を制作し、ツアーに出、反響を得るものの賛否両論。
その後1966年7月29日にBob Dylanはバイク事故を起こし、活動停止。米国ニューヨーク”Woodstock”で静養する事となります。
その後”The Hawks”として活動するものの再びBob Dylanからの制作参加要請を受け、”Woodstock”に拠点を構える事となります(御存知!かの”Big Pink”)。
その後Levon Helmが復帰。1967年10月までBob Dylanとの制作を続ける最中、マネージャーがレコード会社を接触。契約を締結する事となります。
”かのBob Dylanのバックバンド”という実績から契約。
当時は仮に”Cracker”というバンド名で契約致しますが既に”Bob Dylan & the Band”という名声を博しており、そこから”The Band”(笑)と名称を変更する事となります..........何かねぇ..............
Bob Dylanとの制作で既に録音機材を本拠地”Big Pink”に持ち込んでいた事があり、1968年初頭に制作。
L.A.の”Capital Studios”で追加録音とミキシングを行い、1968年7月1日にデビュー作”Music from Big Pink”をリリースする事となります。
当時はロック音楽の多様性という時代。
演奏・創作エゴを全面に出した時代という事があり、The Bandの指向する”想像された米国ルーツ音楽のロック化”は非常に異色のもの。
セールスは思う様に揚げられる事が無く、後にRobbie Robertson自身も1968年にリリースされた不思議な作品と自嘲する有り様。
されど、ミュージシャンを中心に根強い支持が集まる事となります。
(演奏エゴに疲れ、更には執拗な批判に晒された当時”Cream”のかのEric Clapton曰く「The Bandのメンバーになりたかった」とも......)
ツアーも絡み1968年~1969年に掛け、新作を制作。
されどニューヨークでの制作が上手くいかず、L.A.へ移行。”Poolhouse”という住居に機材を持ち込み再び制作に打ち込む事となります。
「前作あっての今作の音楽性」という感があり前作との二枚組と捉えられるもので、よりベーシックな感のある音楽性。
また(Robbie Robertson以外の)マルチプレーヤー的な感のあるメンバーの特徴を生かした楽曲が目立つもの。
1969年9月22日にようやくリリースすればセールス/チャートアクションが大きく前作を上回り、ツアーも大好評。
当時は公民権運動でのヒスパニック/黒人の台頭そして”Woodstock”それに絡むSantanaの登場等があるもののベトナム戦争からくる厭世感やキング牧師の暗殺等々重なり、
The Beatles解散や時代を象徴したかのJimi Hendrix/Janis Joplin/Jim Morrison等が後に死去そしてJefferson Airplaneのビジネスに絡む醜い騒動。
(かのJames Taylorの名曲”Fire and Rain”のモチーフでございますが.......................)
時代を象徴するイベントが終わり、祭りの後の虚無感という時代がやってまいります...............................
またJames TaylorやCarol King等々内省的な歌詞を紡ぐS&SWの登場・台頭という時代が変化しつつある頃。
The Bandの音楽性に共鳴する聴衆が急激に増えていく事となります.....................................................
アメリカ保守回帰という中で今度は大反響を呼び、バンドは順風満帆となります。
されど、この辺りからRobbie RobertsonとLevon Helm等他のメンバーとの作曲クレジット等に絡み確執が始まる事となります。
期待高まる新作制作に乗り出しますが、バンド自身は本拠地”Woodstock”の”Woodstock Playhouse”にてライヴ盤制作を指向するも、かの”Woodstock”イベントでの大混乱を危惧した地元住民が大反対の憂き目に。
会場使用は同じもののライヴ盤制作は中止。ライヴ形式によるオリジナル作品制作に移行する事となります。
されど、作品制作における会場音響の問題そして以前とは異なる感のある制作エンジニア”Todd Rundgren”の存在。成功によるミュージシャン特有の私生活問題等々が頭を擡げる事となり、
またRobbie Robertsonと故Levon Helmというバンド内の確執が露呈化。
バンドに暗い影を落とす事となります..................
何とか録音を終わらせるもののミキシングを巡り、Robbie RobertsonはTodd Rundgren、Levon Helm他四名はGlyn Jonesを推す事となり、
Todd Rundgrenは一計を案ずる事となり制作テープを以てロンドンに向かい、Glyn Jonesとそれぞれミキシングを行う事となります。
そして二つのミキシングテープを以てTodd Rundgrenは帰米。バンドに選択を楽曲毎にさせるものの、バンドの意向で楽曲によっては再ミキシングを行う事となります。
ややこしい過程を経てようやく完成に漕ぎ着けリリース。前作の成功により相当期待が高まっていた事もあり、リリース後はチャートアクションは好調となります。
かの伝説の”Festival Express Tour”参加を含めたツアーも好評となりますが今作の音響を含めた洗練度や音造りの有り方が違和感を齎した感があり、セールス的には以前より下回る事となります..............
また作曲クレジット等の創作貢献に対する不満がバンド内に露呈してきており、バンドの活動に徐々に暗い影を投げ掛けていく中、新作制作に乗り出す.....................という面倒な経緯がございます...........................
さて今作。
前作が音楽性・音響面含め洗練化し過ぎた事でファンの混乱を招いた感がございます。
同じ米国ルーツ音楽系であるVan Morrisonの参加・楽曲提供等の外部からのインプットを加える事で、今作では初期回帰した感がございます。
全盛期Todd Rundgren作品制作で知られる”Bearsville Sound Studio”での制作ではございますが、以前同様温かみの有る厚みのあるものを指向しているものの、
前作の音造りを基にデモ感や生々しさのある以前の音造りを指向したもの。
音楽性は以前同様の路線で初期回帰はあるものの、前作の緩さや甘さが更に感じられるもの。
Robbie Robertsonの楽曲が殆どを占めておりますが、原曲提供は誰であれメンバー誰もがアイデアを持ち寄り貢献したというバンドによる貢献という感がございます。
但し、初期の様なバンド感的な意欲が薄れつつあるもので、(音造りを含め)後のThe Bandメンバーそれぞれのソロ作に通じる面がございます。
(音造りが後のRobbie Robertsonのソロ作に通じるものがございますが、Robbie Robertsonのみに”The Band”を語れず、がミソでございます...............)
原曲提供がRobbie Robertson中心で(他の楽曲提供を認めなかった感も...........)今作以降に露呈する創作ネタの煮詰まりが感じられる面がございます。
質は非常に高いものではございますが..............................中期を代表する作品ではございますが、バンドの「峠」そして「下り」を象徴する感がございます......
リリース後はツアーに勤しむものの、以前程のチャートアクション・セールスは記録出来ず。
バンド内に微妙な雰囲気が流れる中、起死回生とRobbie Robertsonは以前中止となったライヴ盤制作を再企画。
今作参加のAllan Toussaintアレンジのブラス隊を迎えた特別年越し公演を更に企画し、その制作に乗り出す事となります......................
(次作ライヴ盤はRobbie Robertson曰くの「音響的に不満」な出来となりましたが、結構なチャートアクション・セールスを記録。
バンドの留飲を下げる事となりますがバンドの意欲は下がってきており、またRobbie Robertsonの創作不振が重なる事となり、バンドの終焉へと徐々に歩み出す事となります.......................)
正直The Bandはカナダ出身の4名とテキサス州出身のLevon Helmのバンド。
「想像された米国ルーツ音楽のロック化」という感のあるバンドでございます。
アメリカルーツ音楽系ロック(The Bandの四名はカナダ出身でございますが...........................)興隆一時代のみならず、
当時のアメリカならではの音楽性の感がある”サザン・ロック”ムーヴメントの勃興・興隆・終焉をも象徴する感がございます。
ボーナス楽曲は5曲。
未発表楽曲に別テイク等となります。
前作が企画変更で突貫工事的になり外れ曲が見当たらない事がそれを窺えるものでございますが、今作では外れ曲が存在。
今作では却下になり後に陽の目を見るもの等々と興味深いものでございます。
但し、今作と言い何処となく創作意欲面に緩さが感じられるもの。幾分投げやりな感が窺えるものでございます。
地に着いた音楽性と音造りで虚構を排した所は後々も同じでございますが、バンドが峠を越え下り坂に入る感が窺えるものでございます.....................
正直、前作の反省からRobbie Robertsonが方針を変更し、(今作のタイトルではございますが....)”Cahoots”としてバンドとして皆の創作意欲を掻き立てる行動に出ていたら............................
そういう感のある作品ではございます......................................
この機会に是非。
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