国内外で著しく評価が分かれる問題の書。ハ－バ－ト・ビックス著、「昭和天皇（Hirohito and the Making of Modern Japan）」上下2巻です。講談社刊、読みやすいハードカバーです。監修：吉田裕、訳：岡部牧夫／川島高峰／永井均。定価4,600円（税別）。状態は、全般にかなり良好です。送料は、レターパックライトで370円です。　

★内容：　神秘のベールに包まれた昭和天皇をひとりの人間としてとらえ、実像に迫る研究書。　君主としての人間形成はどのようになされたのか。明治天皇を範とする帝王教育や大元帥になるための軍事教育を受けた皇太子時代から、即位を経て政治的君主へと変貌していく過程を、新たに発表された膨大な資料をもとに克明に描出する。　――広がる戦火、そして敗戦。天皇は帝国日本の御輿にすぎなかったのか、それとも軍事情報に精通し作戦指導にも関与する、実質を伴う大元帥だったのか。戦後の占領政策と昭和天皇像が「日米合作」によって作られたことを解明し、日本の戦後史におけるアメリカの役割を鋭く批判。そして天皇は「意思なき君主」か否かという、近現代史最大のテーマに迫る。

　〈第1部〉　皇太子の教育　1901（明治34）年－1921（大正10）年
　　　第1章 少年と家族と明治の遺産
　　　第2章 天皇に育てる
　　　第3章 現実世界に向きあう
　〈第2部〉　仁愛の政治　1922（大正11）年－1930（昭和5）年
　　　第4章 摂政時代と大正デモクラシーの危機
　　　第5章 新しい皇室、新しい国家主義
　　　第6章 政治的君主の誕生
　〈第3部〉　陛下の戦争 1931（昭和6）年－1945（昭和20）年
　　　第7章 満州事変
　　　第8章 昭和維新と統制
　　　第9章 聖戦
　　　第10章 戦争の泥沼化と拡大
　　　第11章 真珠湾への道
　　　第12章 大元帥の試練
　　　第13章 遅すぎた降伏
　〈第4部〉 内省なきその人生　1945（昭和20）年－1989（昭和64）年
　　　第14章 創り直された君主制
　　　第15章 東京裁判
　　　第16章 神秘性をとりもどす
　　　第17章 静穏な晩年と昭和の遺産

★著者、ハ－バ－ト・ビックス（Herbert P. Bix）は1938年、米国マサチューセッツ州ボストン生まれ。ハーバード大学大学院にて歴史学および東洋言語学の博士号取得。海軍士官として横須賀に赴任後、日本近現代史を専攻する学者に転身。一橋大学大学院社会学研究科教授等を経て、2001年ニューヨーク州立大学ビンガムトン校歴史学部教授、のち名誉教授。アジア研究者委員会（Committee of Concerned Asian Scholars、1968年に組織された親中派の在米左翼団体）の創立メンバーでもある。著書『昭和天皇』において昭和天皇が戦争に積極的に関与したという主張を提示し、論争を引き起こした。同書でピューリッツァー賞受賞。

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