トーマス アデス 歌劇 テンペスト 未開封 廃盤 キーンリーサイド シーデン ボストリッジ ラングリッジ 2007 アデス指揮 ロンドン ライブ EMI

アデスのテンペストのライブ盤です。世界初演が2004年のロンドンで、この録音は2007年の再演の際の記録だという事です。短い間に世界各地で初演が行われ わずか3年で初演地でのリバイバルとは…作品がいかに好評だったかが窺われます。
ブリテンの“真夏の夜”同様に シェイクスピアの戯曲をもとにした曲で、いわゆる“お国”ものとは言いながら それにしてもオペラ向きの良い題材を選んだものだと感心しました。“社会問題”や“不条理”を扱ったオペラも無くはないですが、音楽祭などの特別な機会ならばともかく 通常の劇場で観客に重いテーマを突きつけ憂鬱にし過ぎても これはこれで問題な訳で、程よくロマンティックで 程よくシリアスなシェイクスピア戯曲…殊に“妖精”や“若い恋人たち”が活躍する作品…はオペラには最適の底本に違いないと感じました。
曲も良くて 難解さや強面ぶりは殆ど感じられず周到だと思います。現代オペラではありますが 原作の雰囲気を尊重する姿勢が鮮明で、加えて プロスペローとキャリバンの場面はウォータンとミーメ風 恋人たちのシーンは“魔笛”風で、既存作のイメージを巧みに取り込んでいる事も分かり感心しました。
キーンリーサイドのプロスペローは “歌”も“容姿”も切って嵌めた様な適役で、ご本人もさぞ本望だったろうと想像します。この時期ならば唯一無二の存在ですし、彼に当てて書かれた役である事は確実でしょう。角書に “若き日のウォータン物語”と書きたくなる程に 佇まいが “ウォータン”風で、歌い過ぎず 語り過ぎずのさじ加減も絶妙だと思いました。
その他 ポストリッジ ラングリッジなどが総出で、英国挙げての上演だった事が分かります。
私はメトの録画を見たのですが、大道具も魅力たっぷりで 劇場向きの良い作品ができたものだと感じました。
このCDの現在の処遇は分かりません。サイトによって 廃盤と明記があったりなかったり…。放送局の録音からの発売らしいですし レーベルがEMIですし、共々複雑で 今後どうなるかは不透明です。英語リブレット付きだそうです。資料としても貴重で重畳な事だと思います。

未開封です。未開封につき中身は確認しておりません。落札後にご了解があれば検品の上発送いたします。その他は基本的にはNC.NRでお願いします。ただし未開封と言うのもたのしみなもので…。
シュリンクに2cmほどのヤブレあります。

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