アクト・ライク・ナッシングス・ロング
AL KOOPER アル・クーパー Act Like Nothing's Wrong
倒錯の世界 VSCD 539 日本盤 帯付

本作『Act Like Nothing's Wrong』はアル・クーパーの7枚目となるソロ・アルバムです。1976年に発売された当時の邦題は『倒錯の世界』というものでした。シュールなデザインのジャケットが手に取る人を選ぶかもしれませんが、内容はもう折り紙付きのブルー・アイド・ソウル名盤！
　1976年と言えば、アメリカ建国200年の記念すべき年。1944年2月5日生まれの彼はこの時32歳でした。アル・クーパーという名前を聞いた時、ある人はボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」での印象的なオルガン・プレイを思い出し、ある人はマイク・ブルームフィールドやスティーヴン・スティルスとの『スーパー・セッション』や『フィルモアの奇蹟』を思い浮かべる事でしょう。アル・クーパーは自らが中心となってブラッド・スウェット＆ティアーズを1967年に結成しますが、早々に脱退。1969年に『アイ・スタンド・アローン』でソロ・デビューを飾ります。その後も1年に1作、もしくは2作を発表し続けてきましたが、1972年に『赤心の歌』を発売してから本作までは約4年のブランクがあります。その間何もしていなかった訳ではなく、ジョージア州アトランタに「Sounds Of The South」というレコード会社を立ち上げました。そしてSounds Of The South/MCAからレコード・デビューを果たしたのが、印象的なトリプル・ギターと、男気溢れるバンド・サウンドが要のサザン・ロック・バンド、レーナード・スキナードでした。1973年に『レーナード・スキナード』、1974年に『セカンド・ヘルピング』を発売し、サザン・ロック・ブームを盛り上げた立役者としても広く知られていることでしょう。余談ですが、スキナードを発掘したアル・クーパーのプロデューサーとしての目利きの鋭さはずば抜けたものがあったと思います。